編プロの採用に応募する前に知っておくべき注意点。激務薄給だけじゃない!

ライターや編集者になりたくてもいきなり未経験者が編プロに入るのは危険?

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前回の記事「フリーライターになる近道『編集者への持ち込み』が意外と有効な理由」では、自分の興味があるジャンルの雑誌を探し、編集部へ直接コンタクトを取ってみることが、実はけっこう“アリ”なアプローチであることを書きました。

 

詳細は前回の記事を参照してもらいたいのですが、フリーライターとして活動を始める際に出版社に持ち込むことは多いにチャンスがあると思う一方で、未経験の方にとってワナとも言えるのが編集プロダクション、通称「編プロ」の存在です。

 

ライター志望の中には「編プロに入社しようと思うけど、激務って聞くし…だけど、修行だと思えば…」と迷っている方がいるのではないのでしょうか。

 

正直に言います。フリーライターを目指しているなら編プロに決して近づいてはいけません!…いや、本当に。

 

編プロについて一応、説明すると、簡潔に言えば「出版社の下請け」です。出版社が発行する雑誌の一部の特集ページ、もしくは雑誌や書籍の全部を編集部に代わって任されて(これを「丸投げ」と言います)、誌面を作るのが編プロです。

 

何を隠そう私自身が編プロからこの仕事を始め、そこからフリーライターになったのですが…まぁ〜しんどい。私はその後に出版社にも籍を置いていたのですが、そこで思ったことは「わざわざ編プロを通る必要はまったくなかった…」です。

 

未経験者が編プロに近づいてはいけない3つの理由

では、なぜ私がそこまで編プロを敬遠することをすすめるのか。その理由は大きく3つあります。

 

  1. 言われている通りに激務薄給である。
  2. クリエイティブな仕事は少ない
  3. 多くの人がモチベーションが保てずライター業自体をやめていく

 

まず、激務薄給というのは当たり前の話で、出版社はほとんどの場合、制作費を抑えたくて編プロを使います。特定のジャンルに強く、専門性に特化しているから、どうしてもその編プロにお願いしたいという場合もありますが、それでも自前で作るよりもページ単価を下げたいので、そうとう安い値段で発注します。

 

編プロとの契約にもよりますが、社員という形での固定給にせよ、ライターとして仕事を振ってもらうにせよ、いわゆる「下請けの下請け」の状態となり、自分自身に入ってくるお金は雀の涙です。

 

そして、たいていの編プロは多くの雑誌や書籍から仕事を抱えていて、当然、振られる仕事も多く、つまり締め切りが毎週のようにあります。まぁ、マスコミのような仕事は基本的に激務なので、その点についてはあきらめた方がいい気もしますが、自分で望んで激務をこなすのと、誰かに命令されて激務を耐えるのはモチベーション的に違うはずです。

 

「書く」のと「書かされる」のは違う


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ここまではある程度、想像できることかとは思います。しかし、それ以上に未経験者におすすめできない点が、「クリエイティブな仕事ができない」ということ。さきほど「下請け」と述べましたが、それはお金の面だけではなくて、クリエイティブな観点からも編プロは出版社の下請けなのです。

 

ライターという仕事をしていて、もっとも楽しいのは自分で「こういう企画が面白いんじゃないかな」と考えて、そのことについて自分で取材をして、それを記事にすることだと思います。クリエイティブなんて言葉を使うとキザな感じもしますが、よーするに自分が書きたいと思う仕事を自分で提案できないのは、けっこうツラいものです。

  

出版社でライターとして活動する際にも、編集者から「こういう企画を書けないか」とお願いされるパターンが多いですが、一方でライター側から「こんな面白い企画があるんだけど」と提案することも大いに可能です(採用されるかは別として)。また、編集者とライターで綿密な打ち合わせをして、お互いにアイデアを出し合って、記事を作成していきます。

 

ただ、編プロの場合、ほとんどそうした企画出しは皆無です。出版社のいわれるがままに、着実に記事を作るのが編プロの使命なのです。編プロの場合でも企画を出すことはありますが、ほとんどの場合は編プロの社長、もしくはチーフのような存在の人が編集部との窓口となって仕事を決めてくるので、入ったばかりの駆け出しが企画内容について、あれこれとアイデアを出すようなことはほとんどありません。決められた内容について決められたように書いていくのです。

 

しかも、自分でとってきた仕事ではないので、必ずしも好きなジャンルが書けるとは限りません。音楽ライターになりたいのに、健康についての記事を延々と書かされる。これは未経験者からライターになろうとするモチベーションの高い時期にあえて経験する必要はないんじゃないかと私は思います。とはいえ、将来的に特定のジャンルだけで活躍するというライターは決して多くないので、いろんなジャンルを知っておくのは勉強になるのも確かです。が、例えば雑誌ならまだいいですが、スポーツライターを目指していたのに、電化製品の取り扱い説明書をひたすら書かされるなんてこともありえます。

 

他にも、激務すぎてまわりのスタッフが教育してくれない、出版社に比べてフリーライターとして必要な人脈作りがなかなか出来ない、与えられる予算が少ないので満足いく取材ができない、結局書くことが嫌になってしまう、…など、正直言って、フリーライターを目指す未経験者にとっては編プロは危険すぎます。

 

と、ここまで書くと、編プロで活躍されている方から苦情がきそう(汗)なのですが、私もかつては編プロにいた人間である手前、本当のことを書かせてもらいました。一昔前ならば編プロからデビューという選択肢もアリだったと思います。それは、いきなり出版社を相手にライターとして活動するのが難しかった時代の話。前回の記事でも書いたように、今は出版社にいきなりアプローチしても十分にデビューできる時代です。わざわざ“地獄”を経由して、「フリーライターになりたい」という熱い想いを無駄に消耗させる必要はないのです。

 

編プロは自分で作るものであって雇われる場所ではない

もちろん編プロといっても、出版社以上にしっかりしているところや、これまで解説してきたような内容とは違って、下手な出版社よりも給料も良く、ライターとして多いに活躍できるところも決してないわけではないです。私の知り合いで現在も編プロに在籍していて、ベストセラーの書籍を何冊も出している人もいます。

 

ただ、私がこれまでの多くの編プロの人間と関わってきて思ったのは「編プロは自分で作るもの」ということ。いつかフリーライターとして経験を積んで、定期的に仕事が入るようになった際に、自らが、もしくは気のあう仲間たちと一緒に作るものなのです。決して未経験者が雇われる場所ではありません。

 

と、ここまで延々と編プロという場所がいかに恐ろしいかを書き連ねてしまいましたが、もちろん、これはあくまで私の経験の話なので、以前の記事「職業:フリーライターを目指す人へ」でも書きましたが、私の言うことをそのまま鵜呑みにするのではなく、やっぱりいろんな場所から情報を得た上で、検討することをおすすめします。

 

もちろん今の時代、ホワイトな編プロもなくはないでしょう。大手の編プロだと出版社のような待遇のところもあるにはあります。必ず実際に働いている人、働いていた人に評判を確認してからのほうがよいと思います。知り合いがいないというのであれば、【マスメディアン】 のようなマスコミに強い系の転職エージェントで、きちんと「激務薄給は嫌だ」とか「ここだけは譲れない」というのを相談した上で、編プロの採用に応募したほうがよいと思いますよ。

 

 


それでも、若いうちは大変な思いをしてでも、まず編プロでがんばりたい!という方がいるかもしれません。…うーん、やっぱりオススメはできないです。やめときなさいって。将来的に「編プロの時代はツラすぎて毎日血尿出てたよ。はははー」なんて笑い話のネタになるというメリットもありますが、それにしてもリスクが高すぎる気が…。

 

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