クリエイティブな仕事をするなら「ミーハー」であることも大切?

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みんなに売れているものを知ることも大事

先日、ライター仲間と飲んだ際に、いまさらながら『火花』の話になりました。4人中私を含めて3人が読んでいて、1人が読んでおらず、「なんで読んでないの?」と聞くと、「いやー、あれだけ売れてで手を出すのはちょっと…恥ずかしいというか、自分の尊厳というか…」とポツリ。

「わかる! その気持ちすごいわかる!」

と盛り上がったのですが、ただ私たちが出した答えは「それでも読んでおくべき」で、「あと、意外と面白かった」でした。

なぜ「読んでおくべき」なのか。それは別に、芥川賞作家の文章を学ぶべきという意味ではありません。私たちライターのような、マスコミと呼ばれる場所で活動している人間にとって、「売れているもの」「人気があるもの」は、やっぱり知っておいたほうがいいのです。

つまり「ミーハー」なものにも積極的に触れていくべきなんです。

でも、これが多くのライター、というよりもクリエイティブな仕事をしている人にとって、案外難しかったりするもの。

ライターで例にあげると、2つのパターンに分かれると思います。とにかく世の中でどんなものが流行っているのかが気になるタイプと、自分が好きなものをひたすら追いかけたいタイプ。つまりミーハーか、アンチミーハーか。

後者も多かったりします。でも、だからといって「売れているもの」を拒絶してもいいのでしょうか。

売れているもの、知っておいた方がいい

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どちらのタイプもやっぱり「売れているもの」を知っておかなきゃいけない、と私は思います。これはライターに限らず、テレビ屋もラジオ屋もカメラマンもヘアメイクもスタイリストもイラストレーターも漫画家も歌手も俳優もネット編集者も……。

クリエイティブというとちょっとキザな感じなので使いたくないのですが、よーするに「世の中に何かおもしろいもの、役に立つものを発信している」ような仕事だったら、同じ考えでいるべきだと私は思っています。

どんな職業だって、本来は好奇心の固まりのような人間のはずなので、なんだって知りたいはず。でも、クリエイティブでいたいという想いが「売れているもの」に対して拒絶してしまうことが多々あります。だから「あたしは興味ない」「オレにはカンケーねー」と、ミーハーなものから目をそらしてしまいがちなのです。

井の頭公園で自作のポエムを売る職業だったら、アンチミーハーでいいのかもしれません。しかし、ほとんどの場合、私たちは「売れるもの」を作らなくてはいけないし、その上で「良いもの」を生み出さなくてはいけません。

そういう意味でも、なぜ売れているのか、なぜ多くの人に受け入れられたのか。それが偶然だろうと一過性のものだろうと事務所のゴリ推しだろうとなんだって関係ありません。売れているものには、意味がある。それを私たちは常に追求しなくてはならない。

だからこそ売れているものは読んだ方がいい。どんな職業にだって“教科書”はあって、例えばプログラマーの人なら『プログラミング言語C 2版』みたいなものを読みますよね?銀行員だって『コーポレートガバナンス入門』とか目を通しますよね?(たぶん)。私たちはアウトプットすると同時に、日々インプットしなくてはいけないんです。

最後に、駆け出しのライターに限る話かもしれませんが、いまや上に紹介したようにアマゾンで何でも買える時代ですが、できればアマゾンで買う前に、本屋さんに立ち寄る習慣はつけたほうがいいと思います。出版不況といわれる時代ですが、その中で何が売れているのか、何が読まれているのか、どんな人が何を立ち読みしているか。そういうのを眺めているだけでも、けっこー勉強になるかと思いますよ。

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